【圧力センサーベーシック #10:媒体対応性】

媒体対応性
測定対象となる媒体の一部には、多くの圧力センサーにとってさまざまな問題を引き起こす場合があります。圧力センサーの測定において 液体やガスの種類もしくは液体の深さ、そして数々の化学物質による深刻な問題がありますが、その中の一つに「水に触れる面はセンサーの耐久性が落ちる」ことがあります。センサーメーカーは、通常この重要な部分における自社製品の限度をよく知っています。一般的なメーカーの対応は「あまり勧められない応用例に関する注意をする・これらの限度を超えた媒体に対してユーザーが行う方法に関する忠告をする・センサーの性能を下げないような特別なパッケージをする」といった事となります。

酷しい媒体用パッケージ
ステンレススチールパッケージの使用は、特にセンサーダイアフラムや他のパッケージ表面の高耐久性のある素材の使用によって、様々な過酷な使用用途においてより適したものにしています。しかしこれらのセンサーでは、製品コストが上昇してしまいます。

媒体との適応力を改善する技術
センサーメーカーは一般的な方法として、シリコンや他の素材で作られた新たなダイアフラムを開発したり、パレリンやフルオロポリマーといった絶縁保護コーティングなどを用いたりします。これらの技術は製品をより長持ちさせ、かつ性能を下げないようにする方法となります。
センサーメーカーがこれら保護対策を用いた場合、追加された材料や特別にそれらを製造するために製品コストは膨らんでしまいます。ただユーザーがこれらの事を行った場合、製品寿命に関する責任はユーザー側に移ります。さらに、センサーの応答時間が悪くなったり、他のパラメーターが影響を受ける場合があります。センサーメーカーは、これらユーザー側で行った保護対策の影響をコントロールができないため、ユーザーは自身でおこなった対策の影響を自身で評価しなければなりません。自身で保護対策をするためには、ユーザーには2つの方法しかありません。
 
メーカー推奨の使用用途に制限する事

圧力センサーメーカーは、自社製品の量産効果や最高の費用対効果を提供するために、プラスチックのパッケージはパッケージ素材としては最も一般的に使用されているものを使用しています。さまざまな動作環境におけるこれらの適合性やパッケージ素材は、センサーメーカーが特定の応用例でも自社センサーを勧めるのか勧めないのかの判断基準となっています。オールセンサーズの圧力センサーは、空気やドライガスといった非腐食性、不活性の媒体での使用を目的に開発されています。オールセンサーズでは特別な環境下で使用の場合、追加の保護が必要かどうかを調べる事を推奨しています。

ピエゾ抵抗型(MEMS)半導体圧力センサーでは、プラスチックパッケージに次ぐ最も一般的な素材はシリコンであり、それはセンサーダイアフラムとして使用したり、基礎をサポートしたり、ピエゾ抵抗素子や他の電気機器の表面で使用されています。他のパッケージ素材には、媒体侵入を制限する保護ジェルコーティングや、ガラス、シリコンラバー等があります。シリコンジェルコーティングは通常、センサーメーカー推奨の下、35KPa (5 PSI)までの圧力レンジにて使われています。(図1を参照。)パリレンコーティングは、センサーメーカー推奨の下問題を引き起こすことない1.25KPa (5inchH2O)までの圧力レンジにて使用されています。

図1 プラスチックパッケージの半導体(MEMS)圧力センサーの断面と素材

図2 パリレンコーティングをしたプラスチックパッケージの半導体(MEMS)圧力センサーの断面と素材

高感度センサーの上面側の露出を最小限にする技術は、背面にかかる圧力測定にも適応されています。メーカーは通常、圧力が上面にかかっている時のみに、製品のテストをおこない適合仕様を確認している事をユーザーは知っておく必要があります。メーカーが上面だけをテストし、ユーザーが反対側を使用した場合、性能は大きく異なる可能性があります。さらに感度に加え、直線性も同様に影響を受けます。(詳しくは#3:半導体(MEMS)圧力センサーのための直線性の測定 を参照)
 
オールセンサーズでは、より媒体に適した圧力センサーを提供するために、CoBeam2TM技術を採用しています。もしセンサーメーカーがセンサー設計においてこの事を考慮していない場合、表裏直線性の誤差(LinFB)は最大7~8%の違いが出ます。センサーの表裏直線性を改善するCoBeam2TM技術では、これを0.3~0.5%LinFBまで低減することに成功しました。多くのユーザーにとって、これは、表裏直線性に関する懸念を排除するには十分な値といえます。CoBeam2TM技術によって、ユーザーはより一般的な媒体での測定において低コストで使用したり、表裏直線性の問題を解消したりする事ができます。