圧力センサーベーシック #8:バンド幅 VS信号ノイズ(S/N)のトレードオフ
 
バンド幅 VS信号ノイズ(S/N)のトレードオフ
圧力範囲を知る事は、適切な圧力センサーを選ぶための重要な判断基準の1つです。
「圧力センサーの選択あたって1番良く見逃されている事は、バンド幅に対する信号対雑音比(S/N)のトレードオフです」・「これはオペアンプを選択する時の利得帯域幅積と同じくらい基本的な事です。」オールセンサーズの新製品開発アプリケーション担当のティム・ショッターは常々主張しています。トレードオフの検討は、医療機器やその他の応用先においても特に重要です。ほとんどのアナログシステムでは、バンド幅が広がれば、S/N比は小さくなります。これは一般的に理解されている一方、バンド幅に対するS/N曲線の補正方法の影響はあまり知られていません。
ショッターは「一般に、ベーシックセンサー(工場での未補正仕様)はバンド幅に対するS/N曲線の観点から見て最高の性能を持っています。」と説明しています。しかしこのタイプのセンサーは、増幅したり温度影響に関する較正や補正をするのに最もコストのかかるセンサーでもあります。この問題を解決するために、特に高性能を必要とする用途の場合、ユーザーは必要な性能を得るために自身で増幅をおこなったりノイズ対策をおこなう必要があります。この問題に対するオールセンサーズの解決法は、BLVR ベーシック シリーズや微圧低圧 mV出力センサー シリーズの提供にあります。


図1:バンド幅とS/N比に関する最高の性能を得るために、ユーザー側はメーカーから与えられたアンプ内蔵型のセンサーに対し自身で追加の回路を作るという必要があります。オールセンサーのmV出力センサーやベーシック シリーズ(図示)といった圧力センサー製品は、これらの問題に関してかなり改善された出力特性を持っています。

アンプ内蔵タイプやデジタルタイプのセンサーの一般的な目的は、優れた較正や温度補正ですが、オペアンプのスペックや量子化ノイズ対策によってさらに低くなる傾向があります。(BasicやmVセンサーとの比較)「デジタルセンサータイプは、メーカー側がアップデートレートに関する適切な処置を取らない事によって、アップデートレート(バンド幅)によっては性能が悪化する可能性があります。」とショッターは言及しています。
バンド幅とS/N比を考慮するにあたっては、トリミングされたmV出力センサーは、うまくバランスされたセンサーとなります。mV出力センサーの出力レベルは、一般的にベーシックセンサーよりも低く同じオペアンプを使用してもS/N曲線はベーシックセンサーに比べ影響が大きくなります。

  
医療分野やその他への応用を目的として、オールセンサーズのBLVR ベーシックセンサーや微圧低圧mV出力センサーは、オフセット出力やコモンモード誤差を減らすためにデュアルダイ技術に基づいて製造されています。また両シリーズに対しては、供給電圧低減のため、新たなセンサー設計技術を取り込んでいます。微圧低圧mV出力センサーは、0 to 0.5” H2O to 0 to 30” H2O の圧力範囲を揃えており、BLVR ベーシック:0 to 1” H2O to 0 to 30” H2Oの圧力範囲を取り揃えています。


2013年5月「医療センシング応用問題の解決法」による。デザインワールドにて出版